どうして痩せない?糖質制限ダイエットのウソ・ホント
糖分=太るは間違い
『糖質制限ダイエット』という言葉を聞いたことはありますか?
砂糖たっぷりのスイーツやパンなどは昔からダイエットの敵ですが、甘いスイーツだけではなく、お米やパン類、イモ類、砂糖、ヨーグルト・牛乳などにも糖質が含まれています。
糖質制限ダイエットというのは、これらを食べずに痩せるというダイエット方法で、短期間で大きな効果があると言われているため、理想の体重になるまで厳しい糖質制限に挑戦される方も少なくないようです。
ですが、実はこの糖質制限ダイエットには危険が潜んでいることはあまり知られていません。
確かに糖質を全く摂らずにいると一時的に体重は落ちます。ですが、長期的に見るとかえって太りやすい体質になってしまいます。
では、なぜ糖分=太るというイメージが定着したのでしょう。
太るメカニズムと糖質の関係
心臓などの臓器をはじめ、人がからだを動かすためにはエネルギーが必要です。
このエネルギーは食べ物に含まれる糖質によって作り出されます。
この「食べ物によって得たエネルギー」と「消費されるエネルギー」のシーソーがバランスよく釣り合っていれば健康的な体形が維持されます。
しかし、このバランスが崩れ、「食べ物により得たエネルギー」が多い状態が続くと、脂肪が蓄積して太ってしまいます。
これが「糖分=太る」のイメージにつながっているのでしょう。
糖質制限をおすすめしない理由
太るメカニズムでもお話したように、エネルギーの消費と供給のバランスが取れた状態だと脂肪は付きにくくなります。
「それなら食事の回数を減らす・量を減らせば簡単に痩せるのでは?」と思われがちですが、実はそうではありません。
確かに糖質制限や食事の回数を減らせば、体重は落ちます。
ですが、白飯を抜いたり、1食抜いたりすることで、からだは飢餓状態に陥ったと錯覚してしまいます。
そうなると、からだは生きていくのに必要なエネルギーを蓄えようとし始めます。そのため、次の食事のときには正常なときよりも糖質をより欲している状態になります。
飢餓状態のからだは普段よりも糖質の吸収率が高くなるため、血糖値が大きく上昇します。
血糖値と言えば糖尿病という病気のことが浮かんでくる方がいると思いますが、糖尿病の方の食事も糖質を摂らないようにするといった食事内容にはせず、3食バランスよく摂れるようにします。
確かにとりすぎた糖質は脂肪へ変化してしまいますが、それよりもご飯を抜くこと、1食抜くことの方が体重が増加する危険性が高いので、栄養バランスの良い食事をきちんと3食取るように心がけましょう。
大切なのは食べる順番
血糖値の上昇は、食事の回数のほかに食べる順番も大きく関わっています。
例えば、白ご飯・味噌汁・ハンバーグ・サラダがあるとして、どの順番に食べると良いのでしょうか。
このとき、最初に糖質を含む白ご飯を食べてしまうと血糖値が上昇しやすくなります。
白ごはんよりも、味噌汁・ハンバーグ・サラダを先に食べるとよいでしょう。特にみそ汁は身体を温め、水分により満腹感を感じやすくなります。
食品選びの工夫で血糖値を上げにくく
白ご飯以外にもパンをはじめ缶詰フルーツやジャム、ジャガイモなどの芋類も血糖値が上昇しやすい食品といわれています。
一方、血糖値の上昇が穏やかな食品として、そばやスパゲッティ、押し麦や玄米など精製されていない穀物類、キノコ類・葉物野菜など食物繊維の豊富な野菜類、牛乳・無糖ヨーグルトなどの乳製品が挙げられます。
ハンバーグの付け合わせとして野菜を添えたりキノコソースにして一緒に摂る。白米の代わりに押し麦を使った麦ごはんや玄米ごはんなどに置き換える。普段の食事を少し工夫するだけで血糖値の上昇をゆるやかにできます。
食物繊維の豊富な食品を選ぶ
水溶性食物繊維は胃腸内をゆっくり移動するので満腹感が得やすくなります。
糖質の吸収が穏やかになり血糖値上昇を下げる働きがあるほか、腸の状態を整いやすくするといわれています。
水溶性食物繊維を含む食品にはワカメや昆布、果物に含まれています。胃腸内をゆっくり移動するため、満腹感が得やすくなります。
糖質の吸収を緩やかにし、血糖値上昇率を下げる働きもあります。さらに大腸内で発酵しやすく腸を整いやすい状態にします。
不溶性食物繊維は穀類やこんにゃく、きのこ類などに含まれており、水を吸ってふくらみ、腸の動きをよくすることで便秘改善に繋がります。玄米に含まれる食物繊維は不溶性の割合が高いと言われています。
糖質制限によるダイエットよりも、食べる順番やどのような食材を一緒に食べるかなどの工夫をしながらしっかり3食食べて、適度な運動をする方法が太る可能性が低いと考えられます。
特に食物繊維は便秘解消につながり、さらに血糖値の上昇を緩やかにすることで、糖尿病などの病気になるリスクを軽減することができます。工夫した食べ方は疾病予防にも繋がりますよ。
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